彼は、心のどこかでやり直すことを望んでいるかもしれません。

タロットカード: No.14 節制 (Temperance) 正位置

一度振られた彼との復縁の可能性は？？

小川ミコ

終わったはずの関係に、まだ未練と変化への希望が残っており、再スタートの可能性はゼロではありません。

「死神」のカードが逆位置で現れたとき、それは“終わったものが完全には終わっていない”こと、そして“変化を恐れて停滞している状態”を意味します。

彼との別れは一度は決断されたものの、お互いに完全に気持ちを断ち切れていない、そんな複雑な心の状態がカードに表れています。彼の中にはまだあなたへの未練や思い残しがあるようですが、それを素直に認めたり、行動に移す勇気までは持てずにいる可能性があります。

逆位置の「死神」は、“変わること”に対して強い抵抗があるときに現れます。つまり、彼は過去の失敗や別れの痛みをまだ引きずっており、「また同じことになったらどうしよう」という不安が先に立ってしまっているのです。

復縁のチャンスが完全に閉ざされているわけではありませんが、現時点では彼自身がその可能性を受け入れきれていない状態だといえるでしょう。

このカードが示すのは、“決着のついていない感情”です。彼の気持ちは過去と現在の間で揺れていて、答えを出すにはまだ時間がかかるかもしれません。

しかし、逆に言えば、その「揺れ」こそが、再スタートの芽であるとも取れます。あなたが焦らずに彼を見守り、安心感を与える存在であり続けることができれば、徐々に彼の心も動き出すでしょう。

復縁には、“過去の終わりをきちんと受け入れたうえで、まったく新しい関係として再構築していく”という強い意志が必要です。あなた自身も「ただ元に戻りたい」だけではなく、「もっと良い関係を築きたい」と思えるかどうかを、今一度見つめ直してみましょう。

あなたへのワンポイントアドバイス

小川ミコ

「死神（逆位置）」は、“再生”の前に“執着”を手放す必要があることを教えてくれるカードです。

復縁を望むとき、多くの人が過去の幸せな記憶にすがりたくなるものです。しかし、同じ形の関係を取り戻すことは、実はとても難しいこと。むしろ、過去と同じ形を求めることが、再び同じ別れを招いてしまうこともあるのです。

このカードが出たあなたに必要なのは、「失ったものにこだわるのではなく、これから得られるものに目を向ける」視点です。

例えば、以前よりももっと本音を言い合える関係にしたい、相手の自由や自分の成長も大切にしたい、そんな新しいビジョンを描けるかどうかが鍵になります。

死神の逆位置は、「変化を恐れないで」というメッセージでもあります。彼との関係も、あなた自身も、きっと以前とは違う姿に進化するはずです。

また、彼に対しては、急かしたり無理に気持ちを引き出そうとするのではなく、「あなたのペースでいいよ」というスタンスを取るのがベストです。

心の整理がついていない彼には、あなたの存在そのものが“安心できる場所”になることが重要です。そして、タイミングが来たときに、自然と話ができるような信頼感を育んでいきましょう。

この時期にあなたができることは、自分自身の内面の整理と再構築です。例えば、自分の短所に向き合ってみる、別れの原因を振り返る、心身の健康を整えるなど、小さなリセットを積み重ねていくことで、あなたの魅力は自然と磨かれていきます。

それはやがて、彼の目にも新鮮に映り、ふたりの関係性に変化をもたらす可能性を秘めています。

別れた後の空白には、必ず意味があります。その時間をどう使うかが、復縁を「過去をなぞること」ではなく、「未来を築くこと」へと変えてくれるでしょう。死神（逆位置）は、終わりではなく“まだ開かれていない扉”の存在を、あなたに静かに教えてくれているのです。